「希望・平和・喜び・愛」

A.4本のキャンドル

 クリスマス礼拝では、4本のキャンドルを灯しますが、それぞれ希望、平和、喜び、愛の象徴です(20世紀初頭のドイツのプロテスタント教会で始まった習慣)。これら4つは、人が持っているものではなく、すべて神さまから賜物として与えられる性質です。努力しても得られず、買えるものでもなく、命と同様、神さまから与えられる恵みなのです。

B.聖書より

「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」ヨハネ3章16節
 「滅びる」とは、神さまの祝福のない世界に行くことで、消滅を意味しているのではありません。神さまがその御子を世に送られたのは、神さまが人間を愛されたからです。聖書ではこの神さまの愛を、ギリシャ語のアガペーによって表しました。アガペーは自己否定的で、喜んで自己を他者に与える愛です。すべての善いことの背後には神さまの愛があります。そして、イエス様の十字架の贖いに現れた無条件の愛に触れ、その愛なる神さまに信頼して行くとき、私たち人間同士の愛も健全なものとなるのです。

C.愛と平和、喜びと希望に満ちたゴルバチョフ氏

 1980年代、食料も供給できないほど、共産主義が行き詰まった旧ソ連で、あらゆる分野で自由を回復させる再構築(再改革)、いわゆるペレストロイカを提唱・実践したのが、当時、ソ連共産党書記長だったミハイル・ゴルバチョフ氏です。冷戦を終結させ、1990年にソ連初の大統領となり、同年ノーベル平和賞を受賞したゴルバチョフ元大統領が約10年前の2000年10月15日(日)、ロサンゼルスのクリスタル・カテドラルを訪れ、礼拝番組に出演しました。その際、ゴルバチョフ氏は、ロシア正教会の復興こそ、ペレストロイカがもたらした最も重要な出来事の一つだと語りました。
 シューラー牧師のインタビューが進むにつれ、ゴルバチョフ氏は自ら神という語を使い始めます。「どんな国も、神が創造されたのですから、一流の国だとか、二流の国だなどとレッテルを貼ってはなりません」と。
 最後に、シューラー牧師は言いました。「あなたのこれまでの発言の中で、最も衝撃的だったものをここでご披露致しましょう。大変な驚きでした。素晴らしい発言で、涙が出ました。私はブッシュ大統領から、プライベートな会議に招待されました。そこには、冷戦に関わっている首脳が集まるというのです。そこでの話題の一つは、核を使わずして、どうやって冷戦を終結させたのか、ということでした。会議ではブッシュが、ミッテランが、あなたが、サッチャーが発言した。24時間会議が続き、最後に司会者が、皆さま大変お疲れさまでした、と言って、会合は終わったのです。すると、あなたが、頼まれもしないのに、最後の一言を言ったのでした。あなたの言葉が会合の最後の言葉でした。何と言ったか覚えていらっしゃいますか。あなたは、全員に、こう言ったのです。『そして、私たちは、決してイエス・キリストを忘れてはならない』と」
 ゴルバチョフ氏は、さわやかな笑顔で「きょうはこの辺で終わらせてください」と言って、講壇から降りていきました。サッチャー元英国首相が最初にゴルバチョフ氏と会ったとき、「ゴルバチョフという人は平和を愛する偉大な人間だ」と強く感じ、この人となら平和を生み出せると確信したといいます。愛と平和、喜びと希望に満ちて、現在も世界平和のための活動を続けるゴルバチョフ氏の背後には、公表しないもののイエス様への信仰が存在することは間違いありません。

D.結び

 クリスマスは、イエス様を個人的な救い主として受け入れる時です。
 謙遜にイエス様の十字架の贖いを受け入れる人に、神さまは希望、平和、喜び、愛を与えられます。
御翼2009年12月クリスマス号より


  
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